症例:橈骨遠位端骨折の術後
①治療を受ける前はどのような症状がありましたか?
橈骨遠位端骨折の骨接合術後、手の痺れ、感覚障害があり、整形外科では原因不明と言われ経過観察となり困っていたところで鍼灸治療をお願いし開始しました。
②治療を受けて体調はどのように変化しましたか?
初めは手の痺れの治療をお願いしていましたが、全身状態がよくなることで局所の治癒力も高まると教えてもらい、全身の治療を開始して頂きました。日常から朝の目覚めの悪さ、一日中体のだるさもありました。治療を開始して,最初の数回は目覚めが良くなった気がする、体が軽くなったような気がするといった感じでした。治療回数を重ねると、「気がした」といった感じ方から確実に 目覚め、体のだるさの改善を感じるようになりました。また、効果が確実に感じられる様になってからは、数日経つと切れてきたといった感じを感じるようになってきています。回数を重ねてくると効果の持続期間も長くなってきていると感じます。
③感想
最初は効果がはっきりとはわかりませんでしたが、回数を重ねることで確実に良くなってきました。また、初めに悩んでいた、手の痺れと感覚障害も自然と軽快しています。継続することで、より効果を発揮すると思いました。
患者様の声に対して
患者様は医療従事者でもあり、術後に生じた手の違和感を解剖学的、生理学的知識をもとに自己分析していらっしゃいました。手の違和感を局所的な神経損傷が原因とするのが西洋医学です。それに対して、東洋医学では全体を重視する概念があり、今回の治療は東洋医学の視点から治療していきました。生命は局所の問題を体全体で解決しようと、自然治癒力を高めようとします。しかしながら、もともとある体の欠点が自然治癒力をうまくはたらかせられない時に怪我の回復が悪いという状態に陥ります。今回の治療期間は3か月,今後も継続的に治療することで体の変化、手の症状の変化はあると考えています。
手の手術後、長期間にわたり固定のためのプレートが入り、傷口も深いため,完全にもとに戻りますという表現はできません。しかしながら「気の医学」である東洋医学的鍼灸治療により回復の方向性が感じられます。今後も大いに