訪問リハビリテーション

 この訪問鍼灸・リハビリテーションの事業を始めるにあたって「リハビリテーション」をどのように語るかに悩みました。一般的に「リハビリテーション」を語る人が、病院、訪問リハビリ、訪問看護ステーションに努めている、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士なので、鍼灸師として開業している私が語る際には、批判的な言葉が多方面から出てくることを予想していたからです。現在も「リハビリテーション」を情熱のこもった言葉で表現しようと、勉強会で人と会い、教えてもらい、また、文章を読んでいるところです。

  1. 「リハビリテーション」と「リハビリ」は同じか違うか

 一般人を対象にした健康教育等で「リハビリテーションって聞いたことがありますか?」と質問すると、挙手される方は1割程度である。一方で「リハビリって聞いたことがありますか?」と質問するとほぼ全員が手を上げる。同じことは小学生でも高齢者向けの講座でも変わらない。そして「リハビリってリハビリテーションの短縮後です」と質問するとほぼ全員が初耳ですという反応をする。

 そして、「リハビリってなんだと思いますか?」と尋ねると、ほぼ全員の回答は「病院や施設でやるリハビリ」と回答される。いわゆる「リハビリ=機能訓練(※)」と認識している。

※「機能訓練」という言葉は高齢者を対象とした施設等で行われる運動を指導する役職の方を「機能訓練士」と呼び、「機能訓練士」が指導する筋力増強訓練、体操の事を示して使われる。

2. 1982年の国連・障害者に関する世界行動計画におけるリハビリテーションの定義

リハビリテーションとは、身体的、精神的、かつまた社会的に最も適した機能水準の達成を可能とすることによって、個人がみづからの人生を変革していくための手段を提供していく事をめざし、かつ、時間を限定したプロセスである。

                                                  「1982年の国連・障害者に関する世界行動計画におけるリハビリテーションの定義」

  自らが相対する患者・利用者が「自らの人生の変革していくための手段」に成り得るような専門性の提供をしているかについて常に振り返る必要がある。

ー「訪問リハビリテーション」2023年9月号 田中康之 (意図をくみ取り文章は改)

3. はまはし鍼灸院のリハビリテーション

 当院のリハビリテーションは患者さんの生活を変革し、患者さんの人生を変革していくための専門性の提供だと考えてます。生活を変革するために、習慣、道具、練習などを用いて、患者さんのなりたい姿に変革していけるよう努力していきます。それは、身体と環境が人によって違うので、一人一人に合った提案が必要です。それができるのは訪問の強みだと考えています。

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