40歳 左膝関節に水がたまる症例
1週間前から、左膝関節に水がたまる(関節水腫)症状を訴える患者さんを治療しています。ランニングがお好きで10㎞程度は頻繁に走るような生活をしていたそうです。特に膝を打ったり、ひねったりしていないのに膝に水が溜まり、腫れるようになったそうです。症状は1か月前からあり、2回程関節注射をして水を抜いてもらったそです。Drからは半月板損傷の可能性がある伝えられていたそうですが、MRIをしておらず半月板の損傷程度は不明の状況でした。
足を確認してみると、右に比べ左の太ももが少し細くなっていました。いろいろな話を聞いてみると1年前に左アキレス腱を部分断裂し、足首を固定していた時期があり、太ももが小さくなっていたのではないかと本人は考えていました。
これに対して、私は運動を積極的にしている方の太ももが1年経っても回復していない事が気になりました。そこで、足関節と足部を確認してみると、左足部の外側が動かない、左足部の土踏まずが低くなっているなど足部に問題があることに気が付きました。
足部の不安定(体重を支える土台の不安定性)は膝、股関節に大きく影響します。足部の問題から膝痛、股関節痛、不良姿勢につながっている患者さんは多くいらっしゃいます。したがって、運動を積極的にする方であればなおさら足部の影響が膝に出やすいのではないか考えました。
これに対して当院では、太ももの筋肉と足部のリハビリテーション計画を立てて自宅でできるエクササイズを提案しました。特に足部のリハビリテーションが難しいのでそこに対しての時間を費やしました。そして、膝関節の炎症をとるような鍼灸治療を行いました。これにより、治療後には「軽い感じ」を感じてもらえました。自然治癒力を引き出し、早期回復に努められている治療です。
現在私が感じている東洋医学での治療は、形の修正、構造の修正、筋力強化に関しては効果を出しにくいと考えています。なので鍼灸治療だけだと、膝の炎症はとれても、積極的に運動すればまた炎症が生じる可能性があるでしょう。しかし、太ももの筋肉と足部のリハビリテーションを行うことで、運動による膝の炎症の再発を抑えることができると考えています。
当院が介入できるのは、1時間程度なので、自宅でできるエクササイズは有効です。また、自分でできるお灸を2日に1回してもらうようにして、回復に努めてもらいます。
また、経過をご報告させて頂きます。